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rückzahlung

2017.10.27 (Fri)

「はい、タオル。アイリスちゃん慌てて来たんでしょ?その顔と汗を見たら分かるわ」
綿を使ったフェイスタオルを差し出すナデシコ。
予定時間を遅れて訪問してきた自分にそこまでする必要は…首を振るが
「乙女に汗は似合わないわ」と、彼もとい彼女はアイリスの空いている両手に手渡した。
タオルの柔らかい生地とラベンダーの香りにふわっと包まれる。
香り付きのタオル。拭いながら天然の香りも味わえる代物。
これもナデシコが作ったもので、この店の商品でもある。
メインは衣類だがハンカチやタオルといった生活必需品も揃えてあり、女性が好んで入店するのも分かる。

「すまない、助かった。幾らだ?」
使わせてもらったタオルをそのまま返すだけにもいかない。
財布から早くも札を取り出すが、ナデシコは両手を前に出してアイリスの手を押し返すようにする。
「お代なんていらないわよ」
笑顔で返答するナデシコ。
「しかし僕の気が収まらない。釣りもいらない、受け取ってくれ」
開けている両手に札を無理矢理握らせるアイリス。
何が何でも受け取ってもらう。その意思が見える、握らせ方。


「もう、相変わらずお堅いんだから…真面目ちゃんね」
「当然のことをしてるまでだ」

諦めたように、ナデシコはアイリスからの札を受け取った。

テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

22:55  |  小説  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

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