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einmischen

2017.08.05 (Sat)

「お帰りなさいませ、ご主人様」
花への黙祷を済ませ、執事は主が戻ってこられるや否や深々と頭を下げる。
右手には、見るからに冷気が漂うグラスを持ちながら。
…隣にはカフェテーブルにマーケットパラソルを立てていて。

「…おい、執事」
勿論のことアイリスは低い声で不機嫌そうに執事へ問い掛ける。

「これですか?柑橘類と氷をミキサーで混ぜ合わせたジュースでございます」
誰が持っているグラスの中身を答えろと言った。

「失礼しました、この設置物のことでしたね。作業後休むのに良いかと思いましてご用意致しました」
そうじゃない。睨むようにフィデリオへきつい視線を向けるアイリス。
待機しておけ、と言ったはずだ。
「この炎天下の中、水やりという重労働を終えたご主人様はさぞお疲れだろうと。
戻ってこられた際、何も用意出来ていないようでは執事として合わせる顔がありませんので」

主が離れていた10分足らずでの作業内容だったという。
…だから誰が聞いているそんな事を。
無駄な時間が、不必要だと言っているんだ。


「…僕は柔じゃない。待機と言えば待機、余計な事をするなと言っているんだ。
心配されるのはごめんだ。心配してほしいなど、いつ頼んだ?」

勝手な行動、お節介。
仕事の補助や家事全般の事はいい、仕事の早さに定評があるのも知っている。
だがそれ以外の事で手出しは無用。
執事は執事らしく、僕の身の回りの世話だけをしていればいい。


命じた事だけを聞き、動く人形になればいいんだ。


「構ってくれるな」
アイリスは冷たく言い放ち、その場を後にしようとした。



執事は相も変わらずの表情で主への言葉に返事をした。


「いいえ。ご主人様は大変、柔でございます」

執事の言葉に、主は即座に振り返った。

テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

14:16  |  小説  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

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