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Iris

2017.07.15 (Sat)

花園には、今日も今日とて蝶々に蜜蜂が集まってきていた。
甘い香りと蜜に誘われ、虫達は羽根を休めて次々と花の蜜を味わいに止まり出す。
この時期、訪れてくる虫の数は多い。
お世辞にも見栄えが良いとは言えたものではない。

でも僕は、この光景を見るのは嫌いじゃない。


虫達が求めるのは蜜だけであって葉を囓ることもない。
何よりも、虫の存在がなければ花園としての存在を保つことが出来ないからだ。
花は己の花粉を付けるため、惹き付けるための香りと蜜を贈る。
群がる虫が蜜を吸いに密着した際には大量の花粉を身に纏わせる。
此処の虫達は全て虫媒花としての役割を担ってくれている、益虫だ。

花の数が無数とも呼べるだけ咲いているように人の手では限りなく限界がある。
虫の力無しでは、花園を守りきる事が出来ない。
虫は花粉の配達員のようだ。


けど僕が好きな理由は違う。花と虫、両者の関係だ。
花は仲間を増やして貰う為に蜜を作る。だから虫が必要だ。
虫もまた、生きるための餌として蜜を貰うため花が必要となる。

捉え方を変えればどちらも裏切らない。裏切れない、とも言える。
そう捉える僕の考え方は、悪いのだろうか。


「待機しておけ、すぐ戻る」
「では日傘をお渡ししますので」
「あぁ」

入り口付近ではチューリップ、パンジーと民間人にも馴染みのある花が咲いているエリア。
中央エリアだけは、咲かせている花の種類が違う。
これは僕が主になってから作り上げた、最新の場所。

ゼラニウム、アマリリス、シャクヤク、ヘリオトロープ、ガザニア。
数こそ遠く及ばないが、個性豊かで満開の姿。
左から二番目、三番目、四番目…と好きな花。


一番目に好きな花は、決まっている。

それはこの花園で最も数が多く、一際目立たせている花。



アヤメ。またの名を、アイリス。

両親が付けてくれた、最愛の花であり、名前だ。

テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

00:57  |  小説  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

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